手書きの紙4枚から始まった仕様書である。
AIの質問23個に答え、質問がなくなるまで詰めて、彼女が完成させてきた。
紙4枚ぶんの頭の中が、わずか数日で728行になっていた。
▶ 前話(第6話)楽をするために、728行の仕様書を作った女子高生。
「めっちゃ長いんですけど」
第3回の授業。この日のゴールは、この仕様書からアプリの動線——最初の画面から 結果が出るところまで——を一通り動かすことだ。
まず、完成させてきた仕様書を本人に説明してもらう。
私「仕様書の説明をしてもらえると」
JK「めっちゃ長いんですけど」
私「ポイントポイントでいいですよ」
そこから約10分、彼女は自分の仕様書を私にプレゼンした。
思っていたよりプレゼンは長かった・・
が、彼女は楽しそうだったので、あえて止めなかった。
複数教科に対応させた理由は
「一教科だけだと、5回作らないといけなくなる。それだと、早く計画を立てて終わらせたいという 目的に合わないから」。
考えてるなーと感心をする。
ほかの説明も、いくつか紹介するとーー
ずっと同じ教科だと飽きるから、特定の教科に偏らない計画にする。
AIが読み取れなかったときのために手動でも課題を足せるようにする。
使い終わった課題の写真は削除して容量を守る。
テストの履歴は保存しない。
苦手な教科を最後に回すこともできる優先度設定——
私「すげえな。作り込んでな」
JK「もう質問してもらっただけです」
謙遜がすぎる。
「飽きるから偏らないように」なんて、AIの質問リストには無い💦
AIの推奨には「テスト日は自分で入力する」を選び、先生の提案は質問で覆し(前話)、 判断基準は一貫して「楽かどうか」。
この仕様書は、とことん彼女のものである。
「作ってください」
準備は3手だ。フォルダを作り、仕様書を置き、Claude Code を開く。
途中、作ったはずのファイルが行方不明になる場面もあった。
JK「消えた。……あ、出てきた。消えた。出てきた」
(新しいフォルダを作って解決した。あるあるである)
指示の中身は、要するに一言。
「この仕様書で、作ってください」。
ただ、ここでも工夫がある。
一度、ChatGPTの方に投げて、フォルダ配置のスクショを見せて、以下のプロンプトを打つ
ClaudeCodeに以下の配置で仕様書が入っているので実装する指示文を作ってそうする事で、人の指示ではAIにはわかりにくかった所を、AIがわかりやすい指示文に変換してくれる。
ChatGPTが監督として現場指示、ClaudeCodeが優秀な職人さんとして、アプリ作りを始める。
ついでに、AIを動かすためのAPIキーも発行した。
私「APIキーは、バレたらあかんので」
録画に映ってしまった分は、その場で削除させた。あとで自分でこっそり 作り直すところまでが宿題である。
実装が始まると、途中でAIから確認が来た。
JK「なんか、Geminiが使えないみたいな……」
ここで、この日いちばん大事な話をした。
Claude Code は優秀だが、 自分が作りやすいように提案してくる。
それは本人がやりたいことと ズレていることがある。だから——
私「その場合はスクショ撮って、ChatGPT に相談する」
実装は Claude Code、監督は ChatGPT。AI同士でチェックし合う体制である。
彼女はさっそく Gemini の問題をスクショして ChatGPT に相談し、 「3番が正解です」という回答をもらって、自分で選んで先へ進めた。
……この間も、私はほぼ何もしていない。
「もうすぐ完了です」から、10分
実装が始まった。ところが、終わらない。
「もうすぐ完了です」と表示されてから、10分。
私「ちょっと作り込みすぎたかもわからん」
JK「欲張りすぎたか・・・💦」
質問がなくなるまで詰めた728行は、それだけ「作るもの」が多いということでもある。
質問に答え続けた数日の因果が、実装の重さになって返ってきた。
でも、悪いことではない。
詰めが甘い仕様書なら、AIはとっくに 「それっぽい何か」を作り終えている。終わらないのは、 彼女が決めたことが、それだけ多いからだ。
待っている間は、時間が勿体ないので、お金持ちになるための話の続きをした。
中身については、また次回以降に書いていこうと思う。
動いたかどうかは、明日わかる
私「マジか・・・」
JK「もう完成ですって言って・・30分以上動いてますね」
授業の時間が尽きた。実装は、まだ終わっていない💦
私「明日のこの頃には、多分終わってるでしょう」
JK「・・・」
私「PCの前に張り付いてなくてもいいから、このまま点けた状態で朝に見たらいいですよ」
JK「はーい。わかりました」
というわけで、次回の授業はまさかの翌日である。 アプリを作り続けるPCがスリープしないよう設定して、この日は解散した。
728行の仕様書は、アプリになったのか。
その答えは今、彼女のPCの中で生成されている。
——答え合わせの前に、次回は、この待ち時間にしていた「お金の話」から。
生成が終わるまで、もう少しだけ。
あとがき
——ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
裏話をひとつ。下書きの段階では、冒頭に
「2週間前、手書きの紙4枚から始まった仕様書」と書いていました。
ところが公開前に日付を数え直したら、紙4枚から728行まで、実際はわずか数日。
盛るどころか、事実のほうが派手でした。
なぜ数日でそこまで進んだかというと、次回の日時は彼女が決めているのですが、
楽しいようで「明日」に設定してくることが多いからです。
この連載では、事実確認をするたびに話が地味になるどころか強くなります。
実話の、得なところです。
次回は、この実装待ちの時間にしていた「お金の話」の続き。
1億円の種明かしです。
▶ 前話(第6話) 楽をするために、728行の仕様書を作った女子高生。
▶ 第1話から読む → マガジン「ど素人JK、お金持ちを目指す。」
この連載は、実在する女子高生の学習過程を、本人・保護者の同意のもと個人が特定されない形で記録しています。会話は意味を変えない範囲で整理しています。
(第7話・了)
おまけ
この連載を読んで、
「自分もやってみたい」
「うちの子に体験させてみたい」
と思った方はいませんか。
彼女と同じ形の授業を、他の人がやったらどうなるのか——
私も気になり始めています。
もしいたら、この記事のコメントで
「興味あり(自分)」
「興味あり(子ども)」
と一言もらえたら嬉しいです。
何人くらい興味があるのか知りたいだけの段階なので、
コメントしても何の義務もありません🙌



